童謡『とんぼのめがね』歌詞の意味と誕生秘話|全番解説と保育実践の極意

目次
童謡『とんぼのめがね』歌詞の意味と誕生秘話|全番解説と保育実践の極意
童謡『とんぼのめがね』歌詞の意味と誕生秘話|全番解説と保育実践の極意
@ creator • Click to Play Video Inline
🎵 童謡『とんぼのめがね』歌詞の意味と誕生秘話|全番解説と保育実践の極意

秋の澄み渡る空を見上げると、ふと口ずさみたくなる童謡『とんぼのめがね』。保育園や幼稚園の現場だけでなく、世代を超えて日本人の心に染み付いている名曲ですが、その歌詞に込められた繊細な色彩の移ろいや、楽曲誕生の背景に隠されたドラマをご存じでしょうか。

「なぜ、とんぼのめがねは水色、ぴかぴか、赤色へと変わっていくのか」「作詞者が医師として子どもたちに向けていた温かな視線とは何だったのか」。本稿では、全歌詞の詳細な解説から、作曲家・平井康三郎による美しい旋律のドレミ音階分析、さらには保育現場ですぐに活かせる手遊び・導入の具体策まで、教育現場や音楽の視点から徹底的に紐解きます。

📌 【この記事の重要ポイントまとめ】
  • 要点1:水色・ぴかぴか・赤色の3色の変化は、広野町の豊かな自然と一日の時間の経過(青空→日中→夕暮れ)を見事に描写している。
  • 要点2:作詞者の医師・額賀誠志が福島県広野町での往診中に見た子どもたちの無邪気な姿と、作曲者・平井康三郎の平易で流麗な旋律が融合した不朽の傑作。
  • 要点3:幼児教育の現場ではカラーセロハン工作や身体表現と連動させることで、子どもの色彩感覚と共感性を劇的に育む導入教材となる。

【全歌詞掲載】1番から3番までの情景と「3色のめがね」が描く美しい世界

『とんぼのめがね』は、わずか3番構成の短い童謡でありながら、日本の原風景と生き物への優しい眼差しが凝縮された名作です。まずはその全歌詞を振り返り、それぞれの番で描かれている情景を確認していきましょう。

【1番】
とんぼの めがねは
みずいろ めがね
あおい おそらを
とんだから とんだから
みずいろ めがね

【2番】
とんぼの めがねは
ぴか ぴか めがね
おてんとさまを
みてたから みてたから
ぴか ぴか めがね

【3番】
とんぼの めがねは
あかいろ めがね
ゆうやけぐもを
とんだから とんだから
あかいろ めがね

1番では澄み切った「青いお空」を映した「水色」、2番では燦々と降り注ぐ太陽を見上げた「ぴかぴか」、そして3番では暮れなずむ「夕焼け雲」に染まった「赤色」へと変化します。この色のグラデーションは、単にトンボの複眼の光反射を捉えただけでなく、朝から夕暮れへと移り変わる秋の一日を子ども目線で美しく擬人化したものとして高く評価されています。

当時のメディア報道・掲載写真
【検証資料 1】当時のメディア報道・掲載写真(出典:bunbun.boo.jp)

誕生の真相と由来|医師・額賀誠志が福島県広野町で見つめた子どもたちの命

この名曲が生まれた背景には、一人の町医者が抱いていた深い慈愛の念が存在します。作詞を手掛けた額賀誠志(ぬかが せいし、本名・額賀誠)は、福島県双葉郡広野町で医院を開業していた内科・小児科医師でした。

昭和20年代後半、額賀医師が往診のために広野町上浅見川の田園地帯を自転車で走っていた際、澄んだ青空の下で子どもたちがトンボの群れを追いかけ、「とんぼのめがねは水色めがね」と楽しそうにはしゃぐ姿に遭遇しました。戦後の混乱がまだ残る時代にあって、病気と闘う子どもたちを日々診察していた額賀医師にとって、太陽の光を浴びて元気に野原を駆ける子どもたちの命の輝きは、何物にも代えがたい希望として映ったのです。

この情景を書き留めた詩がNHKの幼児番組関係者の目に留まり、昭和29年(1954年)にNHKラジオ『幼児の時間』の新しい幼児向け童謡として全国に放送されました。現在、福島県広野町には「童謡の里」として『とんぼのめがね』の歌碑が建立されており、駅の発車メロディにも採用されるなど、地域の誇りとして大切に歌い継がれています。

作曲家・平井康三郎の旋律美|ドレミ音階と歌唱指導で押さえるべき音楽構造

作詞の額賀誠志による素朴で純粋な言葉に、躍動感あふれる生命を吹き込んだのが、名作曲家の平井康三郎です。平井は『スキー』や合唱曲『平城山』などで知られる日本を代表する作曲家であり、子どもの発声特性と耳馴染みの良さを計算し尽くした旋律を構築しました。

本作はハ長調またはヘ長調で歌われることが多く、音域は1オクターブ以内に収まるため、2歳児から就学前の子どもまで無理なく歌える構造になっています。

【ハ長調によるドレミ音階(抜粋メロディ)】
・とんぼの(ミソラ) めがねは(ソミソ)
・みずいろ(ドラソ) めがね(ミソー)
・あおい おそらを(ドド ラソラ) とんだから(ドラソミ)
・とんだから(ドド ラソラ ドラソミ)
・みずいろ(ミソラソ) めがね(ミドドー)

ペンタトニック・スケール(ヨナ抜き音階に近い親しみやすい音の並び)をベースにしながら、トンボがホバリングしたり急旋回したりする様子が、軽快なスタッカートとリズミカルな跳躍進行で見事に表現されています。

番数めがねの色と対象歌詞の情景・時間帯保育・歌唱指導のポイント
1番みずいろ(青いお空)澄み渡る午前中の秋空を羽ばたく様子両手を広げて伸び伸びと飛び回る動作を取り入れる
2番ぴかぴか(おてんとさま)日中の強い日差しを浴びて複眼が反射する瞬間「ぴかぴか」で両手をパッと開いて輝きを表現する
3番あかいろ(夕焼け雲)夕暮れの茜色に包まれてねぐらへ帰る情景少し落ち着いたテンポ感で夕方の優しさを意識させる
活動歴および当時の関連ビジュアル記録
【検証資料 2】活動歴および当時の関連ビジュアル記録(出典:ototama.com)

【現場実践】保育導入と手遊び歌のコツ|子どもの想像力を引き出すワーク展開

保育園や幼稚園における秋の季節行事、お散歩前の主活動において、『とんぼのめがね』は最も扱いやすく教育効果の高い楽曲の一つです。現場で子どもの興味を最大限に引き出すための実践ステップを解説します。

【手遊び歌の基本アクション】
1. 「とんぼの めがねは」:親指と人差し指で両目の前に丸を作り、めがねのポーズを作る。
2. 「〇〇 めがね」:首を左右にコテンと傾げながらリズムを取る。
3. 「あおい おそらを(おてんとさまを/ゆうやけぐもを)」:手で空を指差したり、太陽の丸を描いたりする。
4. 「とんだから とんだから」:両手を羽のようにパタパタと羽ばたかせる。
5. 「〇〇 めがね」:最後にもう一度目の前に丸を作り、笑顔でポーズを決める。

【保育導入のアイデア:カラーセロハンめがね製作】
歌う前の導入として、画用紙でくり抜いたメガネのフレームに「青・黄色・赤」のカラーセロハンを貼る簡単な工作を取り入れるのが極めて効果的です。子どもたちが自作のメガネを覗き込み、「先生!青いメガネで見たらお部屋が海みたい!」「赤にしたら夕焼けになった!」と視覚的な変化を体感した後に歌うことで、歌詞の理解度と表現力が飛躍的に向上します。

一般に知られていない盲点とネットの誤解

ネット上の情報や一部のSNSでは、「赤色めがねはアキアカネ(赤とんぼ)のことだから、1番のシオカラトンボから種類が変わっているのではないか」という議論が散見されます。しかし、生物学的な分類議論を作詞者の意図にそのまま当てはめるのは早計です。

作詞者の額賀誠志が残した回想記録によると、この詩は「子どもたちが見せる豊かな空想力」をそのまま言葉にしたものであり、特定の昆虫図鑑的な同定を目的としたものではありません。子どもにとっては、同じ一匹のトンボであっても、空を飛べば青色に見え、夕暮れに染まれば赤色に見えるというアニミズム(生命観)と主観的リアリティこそが本質です。

また、「ぴかぴかめがね」の2番を省略して1番と3番のみで歌われるケースも見受けられますが、2番の「太陽の光」が入ることで朝・昼・夕の三幕構成が完成するため、ぜひ3番まで通して歌うことが推奨されます。

【プロの結論】発達心理学の視点から見出すべき教育的価値

幼児期における共感覚(色や音、情景を結びつける知覚)を育てる上で、『とんぼのめがね』は極めて優れた知育テキストです。「飛んだから、その色に染まる」という柔軟な因果関係の捉え方は、子どもの情緒を豊かにし、他者や自然への共感能力(エンパシー)を育む土台となります。大人の論理で「トンボの目は空を飛んでも色は変わらない」と正すのではなく、子どもが描くファンタジーの世界に寄り添うことが、教育現場における最良の関わり方です。

公の場での発言・インタビュー報道記録
【検証資料 3】公の場での発言・インタビュー報道記録(出典:kaigo-rec.com)

【とんぼ の めがね 歌詞】に関するよくある質問(FAQ)

Q1:『とんぼのめがね』の作詞者・作曲者は誰ですか?
A1:作詞は福島県広野町の医師・詩人である額賀誠志(ぬかが せいし)、作曲は日本の音楽史に数々の名曲を残した平井康三郎(ひらい こうざぶろう)です。昭和29年(1954年)に発表されました。

Q2:1番、2番、3番のめがねの色の順番はどうなっていますか?
A2:1番が「みずいろ めがね(青いお空)」、2番が「ぴか ぴか めがね(おてんとさま)」、3番が「あかいろ めがね(ゆうやけぐも)」の順番です。一日の時間の流れと太陽光の移ろいが表現されています。

Q3:保育園の実習やピアノ伴奏で弾く際の難易度はどのくらいですか?
A3:ハ長調(またはヘ長調)のシンプルな和音進行(I・IV・V7)で構成されているため、ピアノ初級者や保育士試験の弾き歌い課題曲としても非常に取り組みやすい難易度です。右手のメロディも1オクターブ以内に収まります。

Q4:『とんぼのめがね』の発祥の地はどこですか?
A4:福島県双葉郡広野町です。額賀医師が往診中に見かけた子どもたちの姿から誕生したため、広野町には歌碑が建てられており、町のシンボル的な童謡として親しまれています。

まとめ:時代を超えて受け継がれる情景と教育的価値

『とんぼのめがね』が半世紀以上にわたって歌い継がれている理由は、親しみやすいメロディだけでなく、自然の美しさと子どもたちの純粋な好奇心が完璧な調和を保っているからです。

大人にとってはどこか懐かしい郷愁を呼び起こし、子どもたちにとっては世界を色鮮やかに捉えるきっかけを与えてくれる本楽曲。今年の秋は、空を見上げながら、親子や園の子どもたちと一緒に「水色、ぴかぴか、赤色」のめがねを探してみてはいかがでしょうか。 (出典: とんぼ の めがね 歌詞(Yahoo!ニュース))

とんぼ の めがね 歌詞
とんぼ の めがね 歌詞
とんぼ の めがね 歌詞